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SELF-HELP · 睡眠

クールダウンの習慣:眠る前に、脳を着地させる方法

ノートパソコンを閉じるように、一日でいっぱいの心をぱたんと睡眠に切りかえることはできません。クールダウンの習慣は、体に滑走路を与えてくれます。あなたの実際の暮らしに合うものの作り方と、明かりを消す瞬間より、その前の1時間のほうが大事なわけを、ここでお話しします。

明るい部屋で、窓を縁取るカーテン。

Photo by EZcurtain Life on Unsplash

ちょっとしたヒント

  • 1時間早く、明かりを落として。
  • 眠る前に、明日の心配を書き出して。
  • あたたかいシャワーを浴びて、そのあと体を冷まして。

夜も更けて、あなたは骨の髄まで疲れている。なんとかしようとずっと自分に約束してきた、あの種の疲れ。それでベッドに入り、明かりを消すと、脳はまさにその瞬間を選んで、すっかり目を覚ますのです。今日の午後の会話。明日のリスト。2014年に言ってしまったこと。横たわったまま、これからどれだけ少ない睡眠時間になるかを計算する。それがもちろん、目を覚ましたままでいる、それ自体の理由になるのです。

もしこれに覚えがあるなら、知っておく価値のあることがあります。たいてい問題は、明かりを消したその瞬間ではありません。その前の1時間にあるすべてなのです。

睡眠はスイッチではありません。着陸態勢に入る飛行機に、もっと近いのです。降下、ゆるやかな下げ、滑走路が必要です。明るい画面と忙しい心からまっすぐ消灯へ向かうのは、体に、空から落ちてその場でぴたりと止まれ、と求めているようなもの。たいていの夜、それはできません。クールダウンの習慣は、ただの滑走路です。眠る前に、静かで、暗めで、気楽な時間をちょっとした一区切り作っておく。そうすれば、頭が枕につくころには、体はもう知らせを受け取っているのです。

眠る前の1時間は、実際に何をしているのか

就寝が近づくと、あなたの内側で二つのことが起きていて、良い習慣はその両方とともにはたらきます。

ひとつめは、体内時計。あなたの体は、いつ眠気を感じるかなどを決める、おおよそ24時間のリズムで動いています。その時計は、光と規則正しさから、いちばん強い手がかりを受け取ります。夜遅くの明るい光、とくにスマホやタブレットから出るものは、脳にまだ昼間だと告げて、眠りへ向かわせるホルモン、メラトニンを抑えます。毎日てんでばらばらの時刻に寝起きしていると、時計は信頼できるパターンに落ち着くことができません。

ふたつめは、神経系。一日を終えても、体はしばしばまだ少し熱を持っていて、はりつめ、身構え、次のことに備えています。睡眠はその逆を必要とします。あなたのしくみが「休む」モードへギアを落とすことを。その切りかえは、命じてできるものではありません。落ち着こうと決めて、すぐに落ち着けるわけではない。でも、それをそっと誘うことはできます。明かりを落とし、体をゆるめ、脳に新しい問題をかみしめさせるのをやめる。

クールダウンの習慣は、この両方に助走をつける方法です。明かりを落として、時計がメラトニンを出しはじめるようにする。ペースを落として、神経系がついてこられるようにする。どれも大げさなことはありません。要は、わざと退屈にしてあるのです。

自分のものを作る

ただひとつ正しい習慣というものはなく、長いものもいりません。たいていの睡眠専門家は、30〜60分くらいのクールダウンの時間を自分に与えることをすすめます。中身そのものより、たいていの夜、だいたい同じやさしいことを、だいたい同じ順番でやる、という事実のほうが大事です。くりかえしが、その習慣を合図として読むよう体に教えてくれるのです。

まずはこれを枠にして、それから自分のものにしましょう。

  1. 就寝時刻だけでなく、やわらかい着地の時刻を決める。 明かりを消すときだけでなく、クールダウンが始まる時刻を決めます。11時に眠っていたいなら、滑走路は10時ごろに始まる。その早めの時刻を、本当の約束として扱いましょう。
  2. 世界を暗くする。 天井の明かりを消す。ランプを1つか2つ使う。低い光は、夜が来たと時計に告げます。できるいちばんシンプルな変化のひとつです。
  3. 明るい画面から離れる。 これがむずかしいところで、その価値があります。最後の1時間は、スマホ、タブレット、ノートパソコンをしまうようにしてみましょう。それが無理に思えるなら、最後の20分から始めて、そこから広げて。光があなたを覚醒させたままにし、中身(ニュース、メッセージ、終わらないフィード)が、まさに電源を落としてほしいときに、心のスイッチを入れたままにするのです。
  4. 本当に好きな、静かなことをする。 紙の本を数ページ読む。やさしくストレッチする。ゆっくりした音楽や、前に聞いたことのある落ち着いたポッドキャストを聞く。あたたかいシャワーやお風呂に入る。小さなものを一つ片づける。活動そのものより、気楽で、少し退屈であることのほうが大事です。
  5. 頭の中を紙に出す。 静かになったとたんに心が走りはじめがちなら、ベッドのそばにノートを置いておきましょう。横になる前に、明日の心配ごとややることを書き出します。それを解決しているのではありません。脳に、もう抱えていなくていいと告げているのです。書いてあって、朝にはそこにあるのですから。

これで全部そろった習慣で、ぜんぶやる必要はありません。一週間で投げ出す完璧な10ステップの儀式より、安定した順番の3つの落ち着くことのほうが勝ります。

実際にはどんな感じか

抽象的な助言は、うなずくのは簡単で、使うのはむずかしいもの。だから、具体的な一例を。たとえば11時に眠っていたいとします。10時に、食器を片づけて、台所と天井の明かりを消し、ランプを1つだけ残します。スマホを、ベッドから手の届かないよう、部屋の反対側、できれば別の部屋でまるごと充電につなぎます。10分か15分、手のかからない何かに使う。あつあつのシャワー、楽なストレッチをいくつか、スリラーではない小説を一章。ノートに3行書きとめる。明日について心配している二つのことと、それぞれの最初の小さな一歩。それから10時45分ごろ、涼しくて暗い部屋でベッドに入り、目が重くなるまでランプの明かりでもう少し読みます。

その夜に「含まれていない」ものに気づいてください。明るい画面はなし。大きな決断もなし。「リラックスするため」のだらだらスクロールもなし。脳をふたたび立ち上げさせるものは何もない。それが設計のすべてです。最後の1時間を、一日が閉じていくと体にやさしく告げることに費やす。そうすれば消灯が、突然の落下ではなく、ゆるやかな降下の終わりになるのです。

もし暮らしがまるまる1時間を許さないなら、縮めましょう。たいていの夜にやる15分版でも、ちゃんと効きます。明かりを1つ落とし、スマホを置き、落ち着くことを一つやる。長さより、続けることのほうが力になります。

あたたかいお風呂の小わざと、なぜ効くのか

ひとつの小さなことに、思っているより多くの証拠が裏づいています。夕方のあたたかいお風呂やシャワーです。

気休めの決まり文句のように聞こえますが、その下には本物の生理があります。眠りにつくには、体の中心の温度が少し下がる必要があります。あたたかいお風呂は、血液を肌の表面のほうへ引き寄せることで助けるようで、それが体の熱をあとでより手放しやすくし、上がったあとに中心がより速く冷えるのです。いくつかの研究をまとめた研究者たちは、就寝のおよそ1〜2時間前にとったあたたかいお風呂やシャワーが、平均して人々をより速く眠りにつかせるのを助けた、と見いだしました。1〜2時間前であって、入る直前ではありません。あとで冷ます時間が欲しいのです。

だから、あたたかいお風呂は、本当はお風呂についての話ではありません。体が求めている温度の下がりを与えることについての話です。あたたかいシャワーでも効きます。「小さく、ただで、証拠に裏づけられている」に分類しておきましょう。

心が止まらないとき

多くの人にとって、体は応じているのに脳がやめてくれません。明かりは低く、スマホは離れていて、静かになったとたん、考えがどっと押し寄せる。心配、巻き戻し、計画、夜11時に解決する必要のないことを、夜11時に解決したいという突然の衝動。

これが就寝のまさにそのときに起こるのには、理由があります。一日じゅう、あなたは大きな声の考えが背景にとどまるくらい、心を忙しくしています。止まってじっと横になったとたん、ようやくそれらの場所ができて、いっぺんに現れるのです。あなたに何か悪いところがある印ではありません。刺激の多い一日の終わりに、することのない心がするだけのことです。

歯を食いしばるより、いくつかのことのほうが助けになります。

渦が始まってからではなく、横になる前に書きましょう。さっきのノートのステップは、まさにこのためにあります。明日のリストと、いちばんの心配ごとを紙に出すことが、それを下ろしていいと脳に許します。あなたの頭ではない、どこか安全な場所に、ちゃんとしまわれているのですから。

注意に、やさしく休む先を与えましょう。数える、ゆっくりした一息。シーツの感触。落ち着いた、なじみのある音。狙いは、心を無理に空っぽにすることではありません。それは決してうまくいきません。心がかみしめたがる問題のかわりに、やわらかくて退屈な何かを持たせることです。

そして、ある考えが何度も割り込んでくるなら、それと戦わないようにしてみましょう。それに気づいて(「また計画ね」)、言い争うのではなく、通り過ぎていくにまかせるところを思い浮かべて。考えとあらがうと、たいていそれは大きくなります。静かに来ては去るにまかせると、たいていそれは薄れていきます。

ベッドにいるのに、まだ眠れないとき

ここに、はじめて聞くとまちがっているように感じる助言があります。ベッドで目を覚ましたまま15分か20分ほど横になっていて、眠りが来ないなら、起き上がりましょう。

スクロールするためではありません。仕事をするためでもない。起き上がって、別の部屋へ行き、明かりを低く保ったまま、ふたたび眠くなるまで、落ち着いて少し退屈なことをします。それからベッドに戻ります。

これは、よく研究された不眠への取り組み方から来ていて、理屈はシンプルです。あなたの脳は、ベッドが何のためのものかを、いつも静かに学んでいます。何時間もそこに横たわって、いらいらしながら目を冴えさせて過ごすと、ベッドはじわじわと、体が「起きていて不安」と結びつける場所になっていき、それが次の夜をよりつらくします。起き上がることが、その結びつきを断ちます。ベッドの意味をひとつに保つのです。睡眠、と。専門家がベッドを、第二のオフィスや映画館として使うのではなく、睡眠(とセックス)のために取っておくことをすすめるのも、同じ理屈です。

夜中の1時に起き上がるのは、敗北のように感じます。ちがいます。あなたは、直そうとしているそのものを守っているのです。

習慣を静かにだめにする、いくつかのこと

良いクールダウンでさえ、一日の早いうちに台無しにされることがあります。よくある犯人をいくつか。

  • まだ効いているカフェイン。 カフェインは、覚醒した感じよりずっと長く、あなたの体に居残ります。睡眠がつらいなら、最後のコーヒーやお茶を午後の早めに引き上げてみて、助けになるか確かめましょう。
  • 寝酒。 アルコールは最初は眠気をもたらしますが、夜の後半に睡眠を断片化させるので、より多く目を覚まし、より浅くしか休めなくなります。
  • 大きく揺れるスケジュール。 週末に何時間も寝坊するのは最高に気持ちよく、そして日曜の夜には時計を混乱させたままにします。悪い夜のあとでも、起きる時刻をかなり安定させておくことは、できるいちばん強いことのひとつです。
  • 暑すぎる、明るすぎる部屋。 涼しくて、暗くて、静かな寝室は、体にあらがうものを少なくします。遮光カーテンやアイマスクは、値段以上にはたらく安あがりな手です。

このどれもが、もっとがんばって眠ろうとすることではない、と気づいてください。がんばることは、確実に裏目に出る唯一のこと。睡眠は、追いかけるのをやめて、それがひとりでにやってくる条件を整えたときに、やってくるのです。

数週間、与えてみて

クールダウンの習慣は、ひとつの習慣で、習慣にも少し滑走路がいります。最初の数晩は、明かりを落としてスマホをしまっても、何も起きていないように感じるかもしれません。それがふつうです。あなたは、いまのパターンを身につけるのに何年もかかったしくみを、訓練し直しているのです。たいていの人は、2週目か3週目のどこかで、ちがいに気づきはじめます。習慣が、やっかいな務めのように感じられなくなって、一日が終わったことを意味するものに感じられはじめるころに。

もしこのすべてを、ほどよく続けて数週間やっても、睡眠がまだひどく壊れているなら、それは歯を食いしばってこらえるより、真剣に受けとめる価値があります。何週間も長引く寝つきや寝つづけの問題、あるいは、あなたの毎日や気分や、ふつうに過ごす力をだめにしているものは、医師が実際に助けられるものです。続く不眠には、良くてよく試された治療があって、いちばん効く第一の選択は薬ではありません。もし眠れなさが、重い不安や、晴れない落ち込みや、あなたを怖がらせる考えと一緒に現れているなら、どうかひとりでやり過ごそうとしないで。専門家か、危機の相談窓口に、なるべく早く手をのばしてください。

クールダウンの習慣は、何もかもを直せはしませんし、そういうものでもありません。それにできるのは、体がずっと静かに求めてきたひとつのことを与えること。ちょっとした時間、ちょっとした暗さ、そして、もう一日を手放しても安全だ、というはっきりした合図を。

出典

読み終える前に、ケアについて一言

KEEP CALM は、無料の教育的なセルフヘルプツールを提供しています。これは医療上の助言、診断、治療ではなく、専門的なケアの代わりになるものではありません。ここで読んだことが、日々のストレス以上のものとして心に響いたなら、専門家に相談することは強く、そして賢明な一歩です。

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