Skip to main content
つらい気持ちのなかにいる、あるいは自分を傷つけたいと感じていますか? あなたは一人ではありません。 相談窓口を探す →

健やかな習慣

習慣は本当はどう作られるのか(そして「21日」が神話であるわけ)

習慣は意志の力ではありません。くり返しによって脳が組み立てる「ループ」で、やがてその行動はほとんどひとりでに動くようになります。そのループを理解すると、良い習慣はぐっと作りやすくなります。

白い板を持ってベッドに横たわる女性

Photo by Toa Heftiba on Unsplash

ちょっとしたヒント

  • 新しい習慣を、毎日すでにやっていることにくっつけましょう。
  • 小さく始めて、忙しい日でも続くようにしましょう。
  • 日数ではなく週単位で見て、一度つまずいてもやめないで。

あなたは「歯をみがこう」と決めているわけではありません。ただ、みがいているのです。頭の中での議論も、自分を鼓舞する演説も、洗面台での自分との駆け引きもありません。いつのまにか、それは選択であることをやめ、からだが代わりにやってくれる何かになりました。

それが習慣です。そして理解しておく価値があります。歯みがきを自動にしているのと同じ仕掛けが、散歩や、コップ一杯の水や、数分のストレッチも自動にしてくれるからです。こつは、その仕掛けがどう働くかを知ること。そうすれば、朝六時に持ち合わせていない意志の力に頼らずにすみます。

その下にあるループ

ほとんどすべての習慣は、シンプルな三つの部分のループで動いています。「きっかけ」「決まった行動」「ごほうび」です。

きっかけは引き金です。時間帯、場所、ある気持ち、あるいはちょうど終えたばかりの何か。決まった行動は、行動そのもの。ごほうびは、脳がそこから得るもので、ほっとした感じ、ちょっとした満足の手ごたえ、あるいはただ「これでひとつ片づいた」という感覚など、小さなものでもかまいません。

そのごほうびは、静かだけれど大事な仕事をしています。ある行動が脳の好む何かにつながると、脳はドーパミンという物質を出し、それがきっかけと決まった行動とのつながりを強めます。それを十分な回数くり返すと、きっかけだけで行動が引き出されるようになります。玄関のそばのランニングシューズが目に入り、考えるより先に半分ひもを結んでいる、というふうに。

なぜ、つらく感じなくなるのか

最初のうち、新しい行動には本物の思考が要ります。考える脳がすっかり起動して、それを天秤にかけ、段取りし、自分を説き伏せています。それは疲れることで、だからこそ、できたての習慣はこわれやすく感じられるのです。

くり返すうちに、何かが移り変わります。脳の研究によれば、よく練習された行動のコントロールは、遅くて骨の折れる経路から、大脳基底核と呼ばれる領域の、より深く速い経路へと、しだいに渡されていきます。これは、自動化された学習ずみの決まりごとにかかわる部分です。行動がオートパイロットへ引き渡されるのです。だから今の歯みがきは何の苦もなく、できたての習慣はあんなに苦しいのです。片方はオートパイロットへの移行を終え、もう片方はまだ終えていない、というだけのこと。

これを理解すると、最初のころの恥ずかしさが消えます。一週間たっても新しい決まりごとがまだ難行に感じられるなら、あなたが弱いのではありません。オートパイロットへの引き渡しが、まだ起きていないだけです。それは一つの段階であって、判決ではありません。

本当はどれくらいかかるのか

習慣をつくるには21日かかる、とどこかで聞いたことがあるかもしれません。きれいな数字ですが、本当ではありません。その数字は、習慣の研究などではまったくなく、手術に慣れていく人についての古い観察にさかのぼります。

本当の姿は、もっとごちゃごちゃしていて、もっと安心できるものです。よく知られたある研究では、新しい行動が自動に感じられるまで平均でおよそ66日かかり、その幅は、人や習慣の複雑さによって、約18日から250日以上までありました。朝食といっしょにコップ一杯の水を飲むことは、まるごとの運動より早く定着します。

ですから、新しい習慣が三週間でしっくりこなくても、あなたに悪いところはありません。もともと実在しなかった締め切りを、売りつけられただけなのです。正直な見こみは、二か月ほどに近く、もっと大きなものではそれ以上かもしれません。それを知っておくと、楽になる直前にやめてしまうのを防げます。

ループに逆らわず、味方につける

「きっかけ・決まった行動・ごほうび」のパターンが見えれば、それをわざと使えます。

  1. はっきりしたきっかけを選ぶ。 新しい習慣を、すでに必ずやっていることにくっつけます。朝のコーヒーを注いだあとに、ビタミン剤をのむ。すでにある決まりごとが引き金になります。
  2. 決まった行動を小さくする。 小さな習慣のほうが、早くオートパイロットに届き、調子の悪い日も生きのびます。二分のストレッチは、とばしてしまう45分の計画に勝ります。
  3. ごほうびに気づく。 小さな勝ちを、ちゃんと味わいましょう。チェックマーク、心のなかの静かな「よし」、ひとときの誇らしさ。その感覚が、ループを配線するのです。
  4. 同じ文脈でくり返す。 同じ時間、同じ場所、同じ引き金。組み立てをするのは、一貫性です。
  5. ときどきは抜けると見こんでおく。 一度の失敗で、進み具合が消えることはありません。一日くらい抜けても、長い目で見ればほとんど響きません。次にきっかけが現れたときに、また戻ればいいのです。

配線には、辛抱づよく

ここには、解き放たれるような何かがあります。落ち着いてバランスのとれた人に、あなたが最も感心する行動は、たいてい鉄の規律の偉業ではありません。形づくり終えたループが、その人がほかのことを考えているあいだ、背景で静かに動いているのです。あなたにも、それは作れます。ただ、鼓舞ポスターが約束するより時間がかかり、思うよりずっと少ない力ですむ、というだけのこと。

もし習慣を作ろうとしては崩れる、をくり返しているなら、あるいは、もがいているものが気分の落ちこみや不安、もっと重い何かと絡まっているなら、それは医師やセラピストに話してみる価値があります。習慣の問題に見えるものが、実は「支えがあるとよさそう」というサインであることもあり、それに手を伸ばすこと自体が、ひとつの良い習慣なのです。

参考文献

読み終える前に、ケアについて一言

KEEP CALM は、無料の教育的なセルフヘルプツールを提供しています。これは医療上の助言、診断、治療ではなく、専門的なケアの代わりになるものではありません。ここで読んだことが、日々のストレス以上のものとして心に響いたなら、専門家に相談することは強く、そして賢明な一歩です。

If you are in crisis or thinking about harming yourself, you are not alone. In the US, call or text 988 (Suicide & Crisis Lifeline, 24/7), text HOME to 741741 (Crisis Text Line), or call 911 in an emergency.